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2026/08/24 12:17

今日は「マスクを作っている場合じゃない」という、コロナ禍に私が経験したことについてお話しします。

世の中に「コロナ」という言葉が出はじめた2月ごろでしょうか。マスクを作ろうと思い立ちました。その時はまだ、周りにマスクを作っている人がそんなにいなかったんです。だんだんマスクが品薄になってきている、そんな状態でした。

実は10年くらい前に、幼稚園に通う子ども用と大人用に、かわいいガーゼで手作りマスクを作って知り合いに販売していたことがあったんです。komofを始める前のことですね。それが何百枚という数で、「かわいいから」とみなさんが購入してくださったことがありました。その経験があったので、「じゃあまたマスクを作ろう」ということで、2月に作ることにしたんですね。

ネットショップに出したら、すぐに完売

作ったあとは、どうやって売ろうかなと考えていて。とりあえずネットショップで売ってみようという気持ちになって、すぐに一眼レフで写真を撮って掲載しました。そうしたらあっという間に注文がいっぱいになって、ソールドアウトのような状態になってしまったんですよね。

そこからお問い合わせがすごく来るようになったので、受注制作にしようと思いました。制作してから売るのではなく、注文を受けてから作るという形のページを作ったんです。そうしたら毎朝、起きるたびにびっくりするくらい注文が入っているんですよね。お一人で10枚、20枚と購入してくださる方もいて、全国各地からご注文が入っていました。

その時は娘の大学受験の真っ只中で、あまり出歩かないようにもしていましたし、冬はお洋服の仕事がそれほど忙しい時期ではなかったので、2月はなんとかやりくりできていました。ですが3月になると、自分でも怖いなと思うくらいのご注文が毎朝毎朝入ってくるようになったんです。

ネットショップからのご注文はもちろん、個別にLINEでお友達から「マスク作れませんか」「マスク買えませんか」と連絡が来たり、私の公式LINEにそれまでやり取りしたこともない方から「買えませんか」というご連絡がたくさん来たりして、大忙しになってしまいました。

世の中的にはガーゼが不足していて、ガーゼが買えないという状態にもなっていました。私はリネンとガーゼでマスクを作っていましたが、長いお付き合いをしてくださっている生地屋さんの店長さんがガーゼを送ってくださったりしたので、材料がなくなることはなかったんです。そういう状態が2月、3月、4月、5月くらいまで続いていました。

「マスクを作っている場合じゃない」と思った日

5月、6月ごろになると、いろいろな方がマスクを作って販売するという状態になってきました。このままマスクを作っていれば売り上げが立つ、そんな雰囲気もありました。それでも6月になった時に、「もうマスクを作ってる場合じゃないな、私」と思ったんですよね。

私はもう洋服作家だと思っていましたから。売り上げは立っていましたし、その時までに1000枚くらいはマスクを作って販売していたと思います。それでも「これはやれないな」と思って、スパッとマスクの販売をやめました。

そこからは緊急事態宣言で、家族も家にいて、子どもたちもリモート、主人もリモートという状態でした。なるべく人と接しないように、買い物もまとめ買いをしましょう、という時期です。私はその時に、洋服を作りたいという気持ちになったんですよね。

お客様の一言でkomof展を決めた

それと同時に、komofの一番のお客様が「komofさん、komof展をやってください」と声をかけてくださったんです。何回も「komof展はいつですか?」と聞いてくださって。その方がいてくれたから、私はコロナの状況であったにもかかわらず、komof展をやろうと思えたんですよね。

声をかけてくださったお客様は本当に長いお付き合いで、最初の頃からkomofを応援してくださっている方でした。そのお客様の声がなかったら、自分が行動できていたかなと思うくらい、ありがたい一言でした。

そこから私は洋服を作り始めました。7月にkomof展ができたらと思って準備はしていたのですが、やはり状況的にまだ厳しいなというのがあって。それでもまずは、広くて換気ができて、皆さんがいらしても密にならない場所を北鎌倉で探そうということで、探していたんですよね。

えにしさんが第1弾として受けてくださった

なかなか見つからなくて、9月初めごろにやっと場所が見つかりました。それが今もkomof展をさせていただいている、えにしさんなんです。えにしさんのところへ行かせていただいて、「9月末にkomof展をしたいと思うのですが、させていただけないですか」とお伝えしました。

そうしたら快く、「誰も予約している人はいないけれど、コロナ禍の個展として第1弾として協力しますので、一緒にやってみませんか」と言ってくださったんですよね。

いらした方はよくおわかりだと思うのですが、目の前に大きなガラス窓があって、そこを全開にすることで換気ができます。人数が多い場合は少しお待ちいただいて、お部屋の中に入るのは最大10人まで。マスクの着用や消毒をしていただくこと、入り口に消毒を置いておくこと。そういうことをお伝えしました。

当時は「クラスター」という言葉もすごく出ていた時期でしたが、私はお客様の「komof展をやってください」というその言葉に応えたいなと思ったんですよね。自分がビクビクして勇気を出さないことで、お客様のために何もできないというのは、すごく申し訳ないなと思いましたし、自分のためにも新しい一歩を踏み出さないといけないと思っていました。

どうなるか分かりませんでしたし、不安もたくさんありましたが、結局責任は自分が取るということを覚悟して、komof展をしました。

やってみないと分からない

その時にびっくりしたのが、こんなコロナ禍で誰も来てくれないんじゃないかと思っていたところ、たくさんのお客様が来てくださったことです。会場は常に10人くらいになってしまって、外でお待ちいただくような状態になりました。

あの時ほどありがたいなと思ったことはありません。行動してみることの大切さや、やってみないと分からないなということを、その時すごく感じたんですよね。だからそこから私は、定期的にkomof展をやってきたという感じです。

その時はまだマスクをしていましたが、冬にもう一回komof展をします、次は2日間開催しますという形でさせていただいたりしました。

いろいろな逆境や困難はあると思うのですが、自分は何を届けたいのか、何をしたいのか、生涯の仕事としてどうしていきたいのか、お客様に対して何ができるのか。それを常に考えることが私にとっては大切なんだなということを、その個展を通して感じました。

そこからえにしさんでの個展は、もう7年目に入っていると思います。stand.fmでも、たくさんの方にkomof展へ来ていただいていると思います。それは本当にありがたいなと思いますし、ご縁をつないでいただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。だから私は、続けられる限りえにしさんでの個展を自分のホームとしてやっていきたいなと思っています。

何かやるときには決断がいりますし、やめるときにもすごく決断がいると思うんですよね。何か決断するときは、自分で決めること。自分で決めることで人のせいにもしないですし、それがうまくいかなくても後悔しないなと思ったんです。

あの時komof展をやろうと思えたのは、お客様の一言があったからでもありますし、やはり何でもやってみないと分からないなと思いました。

いろいろ悩むことはあると思いますが、自分で経験してやってみると、想像していない世界が広がっています。それは楽しみでありワクワクでもある。そういうことができるよ、ということもお伝えしたいなと思いました。


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